製品情報

サブボトムプロファイラ

Parasound

パラメトリックサブボトムプロファイラ

Parasound

ParaSound

ParaSoundは、Teledyne RESON製のフルオーシャンデプス対応の船底装備型サブボトムプロファイラです。パラメトリック効果により生成される音響ビームは、0.5~7kHzという低周波帯でありながらも、ビーム幅4.5°という超狭指向性を持つため、最大で200m以上のペネトレーションを実現します。またParaSoundは、生成される2次周波数成分のうち、サブボトムプロファイリングに用いられる低周波ビームだけでなく、高周波ビーム(37~42kHz)をウォーターカラムの取得に活用することで、地層データと例えば海底噴出物のエコーを包括的に評価するような、地球物理・科学的探査のアプリケーションにも幅広く対応可能です。
トランスデューサのサイズは1.2×1.2m程度であり、上述のような高パフォーマンスを実現しながらも、他機器に対して船底での取付スペースを圧迫しません。
水中音響におけるパラメトリック技術の確立以降、大深度向けサブボトムプロファイラのリーディングブランドであり続けたAtlas ParaSoundは、Teledyne RESON社との統合で第3.5世代を迎え、研究者の厳しい要求に応えるフレキシブルなパラメータ調整の許容性を担保しながらも、同時にイージーオペレーションも実現しています。

送波出力によって、P35とP70の2機種をラインナップしています。

※海底下の貫通深度は環境に依存します


取得データ例(水深450m、50m貫通)と船底取り付け状況

システム概要図


上:システム結線概念図


左:P35タイプ トランスデューサ外観、右:P70タイプ トランスデューサ外観

特徴

パラメトリック効果

特定の2つの近似周波数の音響ビームをそれぞれトランスデューサから発振
(プライマリ周波数:18 & 21kHz)。

 

2つの音響ビームが水中で干渉し、それぞれの周波数の和と差である、あらたな2つの周波数の音響ビームが生成
(セカンダリ周波数:3 & 39kHz)。

 

新たに生成された音響ビームは、鋭い指向性(最大4.5°)を持つため、低周波3kHzビームを地層探査、高周波39kHzビームを水中のエコー取得(ウォーターカラム)に利用。

DDT(Double Digitizing Technology)

海底およびその下の地層と、水中の散乱体から反射してくる微細なエコーでは、その大きさ、変化幅に大幅な差があります

DDTでは、これらダイナミックレンジが大幅に異なるエコーの受波シグナルに対し、それぞれ違うTVGを反映し別個にデジタイズ処理を行います。これらを一つの系列に複合することで、同一ビーム内で地層からの反射と、ウォーターカラムの同時表現を可能にしています。
ParaSoundは、このように物理探査と化学探査を同時に行う、市場で唯一のサブボトムプロファイラソナーです。

QED (Quasi-Equidistant) Multi-Pingモード

大深度の観測では、トランスデューサ面から海底までの音波の帰り時間が非常に長いため、一般的な発振・受信サイクルを行うシングルピングでは、データの取得率が低下します。
ParaSoundのQEDモードでは、オペレータが入力する送波間隔と計測水深をもとに、発振が地層からのエコー受信時間とオーバーラップしないように計算して、オペレータが指定した間隔に限りなく近い送波サイクルを自動的に構築します。


QEDの有無によるデータ比較(左:QED無、右:QED有)

これによりParaSoundは最大で16ピングまで同時発振を行い、海底下の堆積構造をより鮮明化するとともに、より速い船速(~15knt)での調査も可能にしました。

オプション機能

ビルトインアイスプロテクション

砕氷からトランスデューサ面を保護するうえで、従来のようにドーム内に配置されたトランスデューサを別素材の音響窓で保護するのではなく、トランスデューサ材と同素材の特殊な保護層を直接送受波器面に形成することで、音響パフォーマンスの損失なく機器を守ることができます。

ドイツロイド船級協会認定の砕氷船向けのオプション機能です。

仕様

周波数

プライマリ発振周波数:
  18~24kHz

セカンダリ高周波数:
  37~42kHz

セカンダリ低周波数:
  P70: 0.5~7kHz、P35: 0.5~6kHz

最大貫通深度

P70: 最大>200mペネトレーション

P35: 最大>150mペネトレーション

解像度

最大レンジ解像度: 6cm

堆積物解像度: <15cm

最大発信レート

16Hz

パルス

パルス長0.17~25msのCW波あるいはFM波

マルチピング

最大16ピングまで
(QEDもしくはパルストレインモード使用時)

ビーム幅

4.5°

動揺安定化

ロール:±15°、ピッチ:±10°、ヨー:±10°、
ヒーブ補正:±5m以内

最大送波パワー

P70: 70kW

P35: 35kW

送波ソースレベル
(プライマリ/セカンダリ)

P70: 245/206dB

P35: 242/200dB

受信チャンネル数

P70: 128トランスデューサ

P35: 64トランスデューサ

トランスデューサ寸法

P70: TBA

P35: TBA

出力データフォーマット

ASD、PS3、SEG-Y

※達成貫通深度は、環境と底質に左右されます

サンプル


水深2200m – 100mの堆積物貫通


水深300m – 100mの堆積物貫通


極浅海域(水深40m)- 堆積盆に堆積した地層と、噴出する生物起源ガス

ソフトウェア

Teledyne ParaStore

ParaSound ソナーのパラメータ制御から堆積物プロファイル・ウォーターカラムデータの集録、後処理を行う標準ソフトエアです。
Teledyne ParaStoreは、科学的な解析の用途のもとに、ブレーメン大学とのパートナーシップによって開発されました。
マルチウィンドウのGUIにより、すべての計測周波数のデータを確認できるなど、取得したデータの評価をサポートします。

 補助センサー&治具

  • 表層リアルタイム水中音速度計
  • INSなどの各種測位動揺計測装置
  • 送受波器船底艤装用ブラケット
  • エコーグラム印刷用プリンタ
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